嘘から出た実(まこと)
子供の時から台所に入るのが好きでした。わくわくした気持ちと好奇心と、それに冒険心というのでしょうか・・、自分で何か作ってみたい~~という衝動がありました。
中学生の頃だったか、台所でごそごそしていると祖母に見つかり、「あんたそんな事ばかりしてると男仕になりまっせ・・。」とたしなめられました。
昔の人はオトコは厨房に入らず・・というそれが道徳観念だったのかも知れません。
丁度中学生と言えば世間の固定観念を壊して、再度構築していくような時期にあたります。祖母の言葉にカッときて、「オレは男仕になるんや・・。」と思わず呟いてしまいました。
男仕(おとこし)とは、昔で言えば下男にあたります。明治生まれの人間には孫が男仕になりたい・・なんて捨て台詞を言うのを、あるいは腹立たしくまた悲しく聞いていたのかも知れないです。
高校、大学と男仕になる機会は与えられませんでした。
ワタシは就職して某市の職員になり、一人暮らしを他所の街で始めた為にいつしか台所に立つことがあたりまえになっていました。
そして、結婚して家内も共働きであるために台所に立つ機会が増え、これがとうとう日常の光景になってしまいました。
ふと思い出したこの話を家内にしたところ、
「よかった・・、(^-^)男仕と一緒になったから楽ができる・・・。」
と微笑んでいました。
口から出任せであったにしろ、「嘘から出た実」という言葉があるように、もっと格の高い事を唱えておれば、それがきっとホントになったのでは・・・と思うばかりです。(^-^)
今日、リッツカールトンで歓送迎会でした。すごく格式のあるホテルで、高そうな料理をいただきました。
「オレは政治家になるんじゃ・・・。」なんて唱えていたら、毎晩こんな高級なホテルで酒を飲めていたかも知れないですね・・・。ギャハハ・・・。
でも~~、男仕・・・・、家族のための男仕なら喜んでやりたいですよ。(^-^)
いまやオトコもオンナもみんな平等な時代、男仕ができてよかったかな・・・なんてまさに喜びかも知れないですね。
何でも料理はできる方です。同年代の、包丁も持ったことがないという人に比べれば器用な方ですよ。政治家になるよりは、まさに家庭に尽くしているかな・・・。(^-^)
「家族のひとつも守れずに、天下国家を唱える奴はウマに蹴られて死んじめぇ・・・。」
なんて、何処かのエライ人が言ってましたもんね・・・。
人の生き様って、ほんと不思議ですよね。まさか~~、そんな風になるなんて・・。